がんとミトコンドリア

ボディプロ TEN ボディプロ TEN ボディプロ TEN ボディプロ TEN ボディプロ TEN ボディプロ TEN

がんとミトコンドリアの関係

ミトコンドリアを活性化するとがん細胞は自滅する!

 

人間は酸素を利用している以上、体内で活性酸素が約2%発生します。

 

活性酸素と言えば、悪玉のように思われてますが、実は体内では必要不可欠な物質なのです。
活性酸素は殺菌作用が強く、体内に侵入してきたウイルスや細菌などを攻撃して退治する働きをし、損傷した細胞を速やかに分解して、新しい細胞に入れ替える仕事もしています。

 

また、体内の酵素を活性化させ、70兆といわれる全細胞をイキイキと活動させるという働きもします。
まさに活性酸素は、私たちの身体には、なくてはならない物質なのです。

 

では何故、癌を作り出す元凶のように言われるのでしょうか?
それはその人の生活習慣によって、良くもなり悪くもなるという両側面があるからなのです。

 

たとえば、過労、睡眠不足、酸性食品、大量の飲酒、ストレスが多くなると活性酸素が大量に発生します。
一定量なら問題はないのですが、大量に発生すると、炎症、動脈硬化、癌、多くの病気、過酸化脂質、などの原因となります。

 

 

 

 

人間は、社会生活を営んでいる以上、フリーラジカルに晒されることでストレスが発生します。
そのストレスにより活性酸素が過剰に発生してしまい、多くの病気や癌になる人が増えているのです。

 

人間は酸素の持つ強い化学反応力を利用して様々な代謝反応を行いその結果、得られるエネルギーを利用して生命活動を営んでいます。

 

酸素はこのように生物にとって有用な物質ですが、反面その反応性の高さに由来する毒性によって生体に障害をもたらします。

 

活性酸素は生体内における酸化還元反応の副産物として生じます 。

 

多くの生命現象は、酸素の利用とその反応の副産物として生じた活性酸素の消去という微妙なバランスの上に成り立っていますが、ひとたびそのバランスが崩れると余剰に生じた活性酸素は脂質、多糖、タンパク質、核酸など生体内のあらゆる成分を攻撃します。

 

 

 

 

生物は酸素障害から身を守るために活牲酸素を生成しない反応系と、生成した活性酸素の消去系を長い進化の過程で獲得してきました。

 

さらに、これらの防御機構をくぐり抜けて生じた活性酸素による障害に対する修復系、再生系をも備えています。

 

しかし、それでも標的分子(脂質、タンパク質, 核酸など)の酸化的損傷を完全に防ぐことはできません。
このような損傷が老化やがん化の一因になると考えられています。

 

活性酸素は、 あらゆる生体成分を標的にすることができ、中でもDNAに与える損傷は長期にわたって保存 ・蓄積され、その修復に際しは変異など遺伝情報の変化をともなうことがあるため重大です。

 

さらに、遣伝子情報の変化は他の生体成分に影響を及ぼし、結果として細胞のがん化や老化をもたらす可能性があります。

 

生物の細胞が生存し活動するためのエネルギーとしてアデノシン3リン酸(ATP)という体内物質が使われます。

 

ATPはアデノシンという物質に化学エネルギー物質のリン酸が3個結合したもので、生物が必要とする活動エネルギーを保存した「エネルギー通貨」のような分子です。このATPは正常細胞では主にミトコンドリア(細胞内小器官)で生成されています。

 

アデノシン3リン酸(ATP)

 

 

 

がん細胞は弱ったミトコンドリアを好みます

 

 

ミトコンドリアで酸素を使ってATPを産生する一方、がん細胞ではミトコンドリアでのATP産生が抑制されています。

 

がん細胞では酸素を使わないでブドウ糖(グルコース)からATPを産生する「解糖」という代謝系が亢進しています。この解糖は細胞質基質で行われます。

 

 

 

 

ミトコンドリアにおける酸素呼吸では1分子のブドウ糖から32分子のATPが生成されますが、解糖系だけでは1分子のブドウ糖から2分子のATPしか生成されません。

 

そのため、がん細胞は正常細胞に比べてブドウ糖(グルコース)の取込みを増やすことによってATP産生を補っています。

 

その結果、がん組織では解糖系の最終代謝産物の乳酸が大量に産生されています。

 

 

 

<がんの種類>
国立がん研究センターがん情報センター

 

 

 

 

 

 

がん細胞では、酸素が十分に利用できる状況でもミトコンドリアでの酸素呼吸が抑制され、ブドウ糖の取込みと解糖系が亢進し、乳酸の生成が増えているという現象は、90年以上前にドイツの生化学者オットー・ワールブルグ博士によって発見されました。

 

がん細胞がミトコンドリアでの酸素呼吸を抑制する理由が幾つかあります。

 

一つは、細胞構成成分を合成する材料として多量のブドウ糖が必要になっているためです。

 

細胞が分裂して数を増やすためには核酸や細胞膜やタンパク質などの細胞構成成分を新たに作る必要があります。

 

細胞は、解糖系やその経路から派生する様々な細胞内代謝経路によってブドウ糖から核酸や脂質やアミノ酸を作ることができます。
ミトコンドリアで酸素を使ってブドウ糖を全てATP産生に使うと細胞を作る材料が無くなるのです。

 

また、ミトコンドリアでの酸素呼吸は活性酸素の産生を増やします。
活性酸素は細胞にダメージを与え、増殖や転移を抑制し、細胞死を引き起こす原因になります。

 

がん細胞は活性酸素の産生を増やさないように、ミトコンドリアでの酸素の利用を抑制していると考えられています。

 

がん細胞にとっては、ミトコンドリアでの酸素を使った代謝を抑えておく方が生存や増殖に都合が良いのです。

 

がん細胞は、活性酸素の大量発生によるDNA損傷の産物でありながら、逆に活性酸素を嫌います。

 

そこで、がん細胞のミトコンドリアの活性を高めるとどうなるでしょうか。

 

正常細胞ではミトコンドリアを活性化すると、ATP産生が促進され細胞の働きを高めることができます。
その結果、がん細胞は増殖や転移が抑制され、細胞死が引き起こされることが分かったのです。

 

それは、ブドウ糖が完全に分解されると細胞を増やすための材料が足りなくなり、酸素呼吸の亢進は活性酸素の産生を増やし、活性酸素によるダメージでがん細胞が自滅するからです。

 

つまり、細胞のミトコンドリアを活性化させることは、正常細胞の働きを高めながら、がん細胞だけを死滅できます。

トップへ戻る